——分子栄養学で読み解く“消化・腸・免疫”の深い関係
こんにちは、腸活・食べる美容アドバイザーのnoriです🌿
前回の記事で、胆汁と膵液が「消化の名コンビ」として働く仕組みをお伝えしました。
今回は、もう一歩踏み込んで「膵液が炎症をコントロールする理由」について、
そして私自身の経験から深く関わりを感じているリーキーガット(腸漏れ)との関係を分子栄養学の視点でお話しします。
🔹 膵液の働きは「消化」だけではない
膵液は、炭水化物・脂質・たんぱく質を分解する強力な消化酵素群を含んでいます。
同時に、胃から送られてくる酸性の食塊を中和する**重炭酸イオン(HCO₃⁻)**も含まれています。
この重炭酸イオンが作り出す中性〜弱アルカリ性の環境は、小腸の健康維持に欠かせません。
膵液がしっかり分泌されることで、腸粘膜が守られ、炎症の火種を防ぐバリアが保たれるのです。
🔹 膵液不足と“リーキーガット”の関係
もし膵液の分泌が低下していると、胃酸を十分に中和できず、小腸内が酸性に傾いた状態になります。
すると腸粘膜がダメージを受け、腸のタイトジャンクション(細胞のつなぎ目)が緩む。
この状態こそが、リーキーガット(腸漏れ)。
本来、体に入るはずのない未消化物や細菌の断片が血中に流れ込み、免疫が過剰に反応して慢性炎症が続くことになります。
関節リウマチをはじめとする自己免疫疾患は、まさにこの「腸の炎症ルート」から全身に火がつくケースが多いのです。
🔹 膵臓は“炎症ブレーキ”の要
膵臓は、消化酵素を作る外分泌機能と、血糖を調整するホルモン(インスリン・グルカゴン)を出す内分泌機能を併せ持つ臓器。
つまり、「消化」と「代謝」をつなぐ中枢的な存在です。
膵臓が疲労し、膵液の分泌が落ちると、
- 消化不良による未消化物の発生
- リーキーガットによる免疫過剰反応
- 慢性炎症や自己免疫反応の悪化
という流れが起こります。
膵液は、単なる“消化液”ではなく、腸の防御機構を守る炎症ブレーキでもあるのです。
(参考)慢性炎症例
慢性炎症と関連疾患の分類
| 分類 | 代表的な疾患・不調 | 背後にあるメカニズムの一例 |
|---|---|---|
| 自己免疫系 | 関節リウマチ、橋本病、潰瘍性大腸炎 | 腸管バリア破綻による自己免疫反応の活性化 |
| アレルギー系 | アトピー性皮膚炎、花粉症、食物アレルギー | 腸内免疫の過剰反応(IgE優位) |
| 呼吸器系 | 慢性副鼻腔炎、慢性気管支炎 | 腸と上気道の粘膜炎症(“腸-肺軸”) |
| 代謝系 | 脂肪肝、インスリン抵抗性 | 慢性炎症による代謝シグナルの乱れ |
| 神経・メンタル系 | 脳疲労、うつ、不眠 | 腸内炎症によるサイトカイン上昇・セロトニン低下 |
※スクロール可能:スマホでも指で横に動かせます。
🌿 特に関節リウマチや副鼻腔炎・アレルギーは、
「腸の炎症 → 粘膜免疫の乱れ → 慢性炎症」という同じ炎症ルートをたどっています。
膵液や胆汁がしっかり分泌され、消化と腸内環境が整えば、
この“全身の炎症ネットワーク”を静かに鎮めていくことができます。
🔹 分子栄養学で見る「膵液を支える栄養素」
栄養素と主な働き
| 栄養素 | 働き |
|---|---|
| アミノ酸(たんぱく質) | 膵臓酵素の材料そのもの。低たんぱくは分泌低下に直結 |
| マグネシウム | 膵液・胆汁の流れをスムーズにし、炎症を鎮める |
| ビタミンC・E | 膵臓や腸粘膜を酸化ストレスから守る |
| 亜鉛 | 酵素活性化に必須。腸の修復にも関与 |
| コリン | 膵臓と肝臓の連携を高め、脂質代謝をサポート |
🔹 膵液の流れを整える生活習慣
膵臓をいたわる習慣
| 習慣 | ポイント |
|---|---|
| よく噛む・リラックスして食べる | 副交感神経が優位になり膵液分泌が高まる |
| タンパク質を欠かさない | 酵素の材料を安定供給 |
| 朝の酸味(クエン酸)を意識 | レモン水や梅干しで膵液・胆汁の流れを活性化 |
| 過剰糖質・加工食品を控える | 膵臓への負担を軽減し炎症リスクを下げる |
※スクロール対応。スマートフォンでは横にスワイプして閲覧できます。
🔹 おわりに
膵液がしっかり働くということは、
「食べたものを分解する力」だけでなく、
「腸の炎症を防ぎ、免疫の過剰反応を鎮める力」を取り戻すことでもあります。
私自身、分子栄養学の学びを通して、関節リウマチという慢性炎症の裏にあったリーキーガットと膵臓疲労の関係を実感しています。
膵臓をいたわることは、“炎症の静かな根”を整えること。
これからもその回復の道を、少しずつ記録していきたいと思います。
心とカラダを整えるヒントを込めて
noriより🌿



糖化チェックで衝撃の結果!私が「血糖コントロール」を始めた理由
腸活でドロドロ血をリセット!体調不良とリウマチ再燃からの再出発
「カラダづくり(腸活)講座」はじまります!